ヒヤリハットの重要性
2023/09/11
重大な事故にならぬよう日頃から小さな変化にも目を向けて支援を行っています。日々の『ヒヤリハット』は大切な気づきになります。
ヒヤリハット…重大な災害や事故に直結する一歩手前の出来事を指します。
思いがけない出来事に「ヒヤリ」としたり、事故寸前のミスに「ハッ」
としたりすることが名前の由来です。
一歩間違えると事故に繋がりかねない事象のことであり、厚生労働省によ
ると「危ないことが起こったが、幸い災害には至らなかった事象のこと」と定
義されています。
ヒヤリハットは、事故や災害につながる要因を特定し対策する貴重な機
会です。
ハインリッヒの法則
1件の重大な事故に対して、29件の軽微な事故と、300件のヒヤリハットがあるという経験則。
シチュエーション別ヒヤリハット事例
●入浴・トイレ
入浴時のヒヤリハットで多いのは、床ですべって転倒するケースです
シャンプーやボディソープなどが床に残っているとすべりやすくなるの
で注意しなければなりません。冷水や熱水が体にかかってしまうケース
もあります。
トイレで多いヒヤリハットは、ドアに手足をはさんでしまうケースと、
便座から転落してしまうケースです。トイレ介助をする場合は、利用者
のそばにいてすぐに対応できるように備えておく必要があります。
●食事・服薬
食事で多いヒヤリハットは、隣の人の食べ物を間違って食べてしまうケ
ースです。席に案内する際にスタッフが確認する、気を配っておく等の
対応が必要となります。
服薬でのヒヤリハットは、他の利用者の薬を誤って飲んだ、違う時間帯
の薬を飲んだ、量を間違えたなどです。間違える可能性の高い利用者に
はダブルチェックして手渡しし、飲み終わるところまでの確認が求めら
れます。
●着替え
着替えの際にも、ヒヤリハットが発生する可能性があります。椅子やベ
ッドに座った状態で靴下を履こうとして転倒したという事例も少なくあ
りません。体制を整えてから着替えをしてもらうようにサポートするようにし
ます。
また、ファスナーで皮膚を挟んでしまったという事例もあります。衣服に金属
がついているかもしれないと想定して確認する必要があるでしょう。
●移乗と屋外移動
車いすへの移乗の際に、ヒヤリハットが起こった事例もあります。フットサポー
トを上げずに移乗して車いすごと転倒してしまった、フットサポートから足が落
ちている状態で車いすを押してしまったケースなどです。移乗が完全に済ん
でいることを確認することが必要です。
屋外移動中は大きな事故につながる可能性もあるので、特に注意しなければ
なりません。歩道の段差に気づかず、車いすごと転倒したという事例もありま
す。屋外ではスピードを緩めて、前後左右をよく確認する必要があります。